畳表とは、イ草または七島い(しちとうい)の茎を乾燥させて織ったござで、様々な織り方があります。
イ草を緯糸(よこいと)、麻糸か綿糸を経糸(たていと)にして織り上げますが、ほとんどは一目の中に経糸を2本ずつ織り込んだ
引き通し表と言われる織り方です。また縁無し畳には、一目に経糸を1本ずつ織り込んだ目積表(めせきおもて)という織り方もあります。
畳表の織り方には、引き通し・目積織・諸目織・大目織・綾織の5種類があります。
引き通しとは一目に経糸が2~4本入っていて通常住宅等で使用される畳表です。
目積織とは経糸が一目に1本で目が詰まっていて琉球表に使われています。
一目の幅が狭い為、縁無畳に多く使用されています。
諸目織とは一目に経糸が2本入ってますが引き通し織よりも一目の幅が細くなっています。
量販店様に販売している上敷き等でよく目にします。
大目織とは経糸は2本ですが一目の幅が広く床の間用の表(龍鬢表)に使われています。
綾織とは、経糸が横糸の上に2本、横糸の下に1本交差されて織られている表で縁無畳に使われています。
畳表の違い
- 国産表
- 全国十数か所で生産されており、色調、光沢、地合いそれぞれ地方によって様々です。
中国産に比べ自然な色合いでイ草にねばりがあり耐久性があります。
価格は中国産より高くなりますが、普及品から特選品まで豊富にそろっています。 - 中国表
- 国内消費価量の約8割を占める外国産畳表です。価格が安いことから急速に使われるようになりました。
全体的な品質は中~下物が中心で、集合住宅や賃貸住宅等に多く使用されています。
国内産とのイ草の取り扱いの差などから耐久性は低く、色合いを統一するためにほとんどの畳表に着色料が使われており、自然の風合いに欠ける物になっています。
しかし近年では、日本のイ草を中国に運び栽培、日本の企業の技術指導により上質な畳表も作られるようになってきています。 - 化学表
- 天然のイ草を使用せず、全くの新素材を使って畳表風に仕上げた製品です。
原料はメーカーによって様々ですが、天然の和紙やポリプロピレンを原料としているものもあります。
従来のイ草畳表にくらべ耐久性が有り、変色もほとんどなくダニやカビの発生も抑えます。
また工業製品であるため商品ごとのバラつきがなく常に安定した品質と価格を提供できます。
ただ天然のイ草畳表に比べ自然な風合いや色合いに乏しく特有の香りもありません。
また価格の面でも割高になります。
経糸の種類
- 麻四芯表(麻麻W表)
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経糸が麻糸二本づつ(計四本)で織られており、畳表の中でも高級品のものにしか使用されていません。糸二芯表や麻二芯表とは違って経糸が麻と糸の四本芯なので、かなり多くのイ草が織り込め、重量感もあり、かなり厚手の畳表です。イ草の本数は約7,000本。
- 麻綿四芯表(麻綿W表)
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経糸が麻と綿で織られている畳表で、下級品から上級品まで幅広く、イ草の質や織り方によって価格評価も様々です。上級品になると良質のイ草のみが使用され色合いもよく上品な美しさがあり耐久性もありますが、下級品に至っては糸引き表の上級品にも劣るものもあります。イ草の本数は約5,000本。
- 麻二芯(麻引き表)
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経糸が麻糸で織られている畳表。綿に比べ耐久性に優れ比較的良品が多く、国産表によく見られます。イ草の本数は約6,000本。
- 綿二芯(糸引き表)
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経糸が綿糸で織られている畳表。経糸が綿のため伸縮性が高く切れ易いため、イ草をあまり織り込めず目詰まり感が少ないく、その分イ草特有の効能も少なく耐久性も低いのが特徴です。主に低~中級品に多く使われています。イ草の本数は約4,000本。